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  • 椎間板ヘルニア

    犬の椎間板ヘルニアとは?】

    椎間板(ついかんばん)とは、背骨と背骨の間にあるクッションのような組織です。
    この椎間板が飛び出してしまい、脊髄(せきずい:神経の通り道)を圧迫する病気が「椎間板ヘルニア」です。

    神経が圧迫されることで、

    ・痛み

    ・麻痺

    ・歩行異常

    ・排尿障害

    などが起こります。

     

     

    症状】

    症状は軽度から重度までさまざまです。

     

    ・初期症状

    ・抱っこを嫌がる

    ・動きたがらない

    ・階段を嫌がる

    ・背中を丸める

    ・震える

    ・キャンと鳴く

    「なんとなく元気がない」という程度の場合もあるため、見逃されることがあります。

     

    進行するとみられる症状

    神経への圧迫が強くなると、

    ・後ろ足がふらつく

    ・足を引きずる

    ・立てなくなる

    ・歩けなくなる

    ・排尿・排便がうまくできない

    といった症状が現れることがあります。

    さらに重症になると、足の感覚がなくなることもあります。

     

     

    原因】

    ・加齢による変性

    もっとも多い原因は、椎間板の老化です。

    年齢とともに椎間板が硬くなり、衝撃に弱くなることで発症しやすくなります。

     

    遺伝的な要因

    特に以下の犬種では発症リスクが高いとされています。

    ・ミニチュア・ダックスフンド

    ・フレンチ・ブルドッグ

    ・コーギー

    ・ペキニーズ

    ・ビーグル

    これらは「軟骨異栄養犬種」と呼ばれ、若い年齢でも発症することがあります。

     

    日常生活の負担

    以下のような動作も負担になる可能性があります。

    ・高い場所からのジャンプ

    ・滑りやすい床

    ・肥満

    ・激しい運動

    ただし、これだけが原因とは限らず、突然発症することもあります。

     

     

    診断】

    ・神経学的検査

    まずは歩き方や反射、痛みの有無を確認します。

    どの部位で神経障害が起きているのかを推測する重要な検査です。

     

    レントゲン検査

    レントゲンでは骨の状態を確認できます。

    ただし、椎間板そのものや神経は写らないため、確定診断には限界があります。

     

    MRI検査 ⇨確定診断

    MRIは神経や椎間板を詳しく確認できる検査です。

    どの場所で、どの程度、神経が圧迫されているかを把握できるため、特に手術を検討する場合に重要になります。

    全身麻酔が必要になることが多いため、体調も含めて判断します。

     

     

    治療】

    治療は症状の重症度によって異なります。

     

    内科治療(保存療法)

    軽度の場合は、

    安静(ケージレスト):一番重要!

    ・痛み止め

    ・消炎剤

    ・神経保護薬

    などで改善を目指します。

     

     

    外科手術

    以下のような場合では手術を検討します。

    ・歩けない

    ・麻痺が強い

    ・痛みが強い

    ・内科治療で改善しない

    手術では、飛び出した椎間板物質を取り除き、神経の圧迫を減らします。

    発症から治療までの時間が予後に影響することも多く、特に急激に麻痺が進行した場合は早期対応が重要です。

     

     

    自宅での注意点】

    ・滑りやすい床を避ける

    フローリングは足腰に負担がかかりやすいため、カーペットやマットなどを活用すると安心です。

     

    ・激しい運動を避ける・ジャンプを減らす

    ソファやベッドの昇り降りは腰への負担になることがあります。

     

    体重管理

    肥満は背骨への負担を増やします。適正体重を維持することは再発予防にもつながります。

     

     

    【早期受診の重要性】

    椎間板ヘルニアでは、「様子を見る」ことで悪化してしまうケースがあります。

    特に、

    ・急に歩けなくなった

    ・足を引きずる

    ・強い痛みがある

    ・排尿できない

    といった症状は、早めの受診が大切です。

    神経のダメージが長く続くほど、回復が難しくなる場合もあります。

    「少し変だな?」という段階でご相談いただくことが、愛犬の負担軽減につながります。

     

     

    まとめ】

    犬の椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションが飛び出し、神経を圧迫する病気です。

    特にダックスフンドなどでは発症しやすく、

    ・痛み

    ・ふらつき

    ・麻痺

    などの症状がみられます。

    軽度であれば内科治療で改善することもありますが、重症例では手術が必要になることもあります。

    早期発見・早期治療がとても重要な病気ですので、気になる様子があれば、早めに動物病院へご相談ください。

    大切なご家族が少しでも快適に過ごせるよう、当院でも状態に応じた検査・治療をご提案しております。必要であれば、外科手術の対応も可能です。お気軽にご相談下さい。

  • ゴールデンウィーク期間中の診療について

    いつも当院をご利用いただきありがとうございます。

     

    ゴールデンウィーク期間中も、通常通り診療を行っております。
    (診療時間・休診日は通常と同様です)

     

    ただし、ゴールデンウィーク期間中は医薬品業者が休業となるため
    お薬の在庫確保や取り寄せ対応が難しくなる場合がございます。

    継続してお薬を服用しているワンちゃん・ネコちゃんにつきましては、
    お薬が切れてしまう前に、できるだけゴールデンウィーク前の受診・処方をお願いいたします。

     

    ご不便をおかけいたしますが、安心して治療を継続していただくため、
    ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

  • SUBシステム(尿管バイパス手術)

    SUB(Subcutaneous Ureteral Bypass)システムは、閉塞してしまった尿管をバイパスし、腎臓から膀胱へ直接尿を流すための機器です。

    腎臓と膀胱をそれぞれチューブでつなぎ、皮下に設置したポートを介して管理を行います。これにより、詰まっている尿管を通さずに尿の流れを確保することが可能になります。

    【適応】 尿管閉塞(特に猫)

     

     

    【メリット】

    ・高い成功率で尿の流れを回復できる

    ・再閉塞のリスクが低い ⇨他の術式(尿管切開など)に比べると閉塞リスクは低い。

    ・長期的な腎機能の維持が期待できる

    ・術後の管理が比較的安定している

     

     

    【合併症】

    ・ステントの閉塞(感染・出血により)

    ・システムの石灰化(24.2%)

    ・感染(30%)

     

     

    【術後の管理】

    SUBシステムは設置して終わりではなく、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

    これらを適切に行うことで、長期間にわたり良好な状態を維持することができます。

     

    SUBシステムは、猫の尿管閉塞に対して非常に有効な外科治療の一つです。

     

    【適応】

    全身状態が悪く、できるだけ麻酔時間を短くしたい場合

    尿管結石が複数存在している場合

    尿管の再建(吻合)が技術的に難しい場合

    このような症例では、従来の手術と比較して安全性や成功率の面で大きなメリットが期待できます。

     

    一方で、SUBシステムは体内にチューブやポートといった医療機器(異物)を設置する治療であるため、

    ・感染(尿路感染など)
    ・チューブ閉塞
    ・長期的な管理が必要

    といったリスクも伴います。

     

    そのため、SUBシステムを選択するかどうかは、
    年齢・全身状態・腎機能・生活環境などを総合的に評価したうえで慎重に判断することが重要です。

     

    当院では、それぞれの患者さんにとって最も負担が少なく、かつ効果的な治療をご提案できるよう、十分な説明と相談を行ったうえで治療方針を決定しています。

    大切なご家族であるペットの命を守るため、最適な治療をご提案いたします。

  • 低アルブミン血症

    低アルブミン血症とは、血液中に含まれる「アルブミン」というタンパク質の濃度が低下している状態を指します。アルブミンは主に肝臓で作られ、血管内の水分を保つ働きや、さまざまな物質を運ぶ重要な役割を担っています。そのため、この値が低下すると体にさまざまな異常が現れます。

     

     

    【アルブミンの役割】

    アルブミンは体内で非常に重要な働きをしています。代表的なものとして、血管内に水分を引き留める働きがあります。この働きがあることで、血液中の水分が血管外へ漏れ出るのを防いでいます。

    そのため、アルブミンが低下すると、血管内の水分が外に漏れやすくなり、「腹水」や「胸水」、さらには全身のむくみ(浮腫)といった症状が現れます。

     

     

    【症状】

    低アルブミン血症では、以下のような症状が見られることがあります。

     

    ・お腹が張る(腹水)

    ・呼吸が苦しそう(胸水)

    ・手足や顔のむくみ

    ・元気消失、食欲低下

    ・体重の増加(体液貯留による)

    症状はゆっくり進行する場合も多く、気づいたときには重度になっているケースも少なくありません。

     

     

    【主な原因】

    低アルブミン血症は、いくつかの原因に分類されます。

    中でも肝臓・腎臓・消化管でトラブルが起きていないかは重要になります。

     

    1、産生の低下(肝臓の問題)

    アルブミンは肝臓で作られるため、肝機能が低下すると産生量も減少します。慢性肝炎や肝硬変などが代表的です。

     

    2、消失の増加

    ・体内で作られたアルブミンが失われてしまう場合です。

    ・消化管からの喪失(蛋白漏出性腸症

    ・腎臓からの喪失(蛋白漏出性腎症

    ・出血や滲出液

     

    3、栄養不足・吸収不良

    十分なタンパク質が摂取されていない、あるいは腸で吸収できていない場合もアルブミンは低下します。

     

    4、炎症や腫瘍

    慢性炎症や腫瘍性疾患では、アルブミンの消費が増えたり、産生が抑制されたりします。

     

     

    【診断】

    低アルブミン血症の原因は多岐にわたるため、一つずつ除外することが重要になります。

     

    ・血液検査:全身状態の把握、肝機能検査(TBA)など

    ・尿検査:腎臓から蛋白尿が出ていないか

    ・便検査:消化管からの蛋白喪失の評価

    ・超音波検査:肝臓・腎臓の形態異常、消化管の腫れがないか

    ・X線検査:胸水・腹水の確認

    必要に応じて内視鏡検査や生検を行うこともあります。

     

     

    【治療】

    治療は原因に応じて行うことが最も重要です。

    ・肝疾患:肝機能をサポートする治療

    ・腸疾患:食事療法や免疫抑制療法

    ・腎疾患:タンパク漏出を抑える治療

    ・栄養不足:高タンパク食や栄養管理

    また、症状が重い場合には、点滴やアルブミン製剤の投与、腹水や胸水の除去などの対症療法が必要になることもあります。

     

     

    【注意点と早期発見の重要性】

    低アルブミン血症は単なる「数値の異常」ではなく、体のどこかに重大な問題が隠れているサインです。特に、腹水やむくみが見られる場合は、すでに進行している可能性があります。

    早期に原因を特定し、適切な治療を開始することで、状態の改善や進行の抑制が期待できます。

     

     

    まとめ】

    低アルブミン血症は、肝臓・腎臓・消化管などさまざまな臓器の異常によって引き起こされる重要な病態です。むくみや腹水といった症状の背景にあることも多く、見逃さないことが大切です。

    「最近お腹が張っている」「むくみが気になる」「元気や食欲が落ちている」といった変化がある場合は、早めの受診をおすすめします。適切な検査と治療により、改善が期待できるケースも多くあります。

  • 3月 歯みがき教室

    だん動物病院では、ワンちゃんのための「歯みがき教室」を開催しています。
    「うちの子が歯みがきを嫌がる…」「気になってはいるけど、やり方がわからない」という飼い主さまのお悩みにお応えする教室です。

    毎日のケアを楽しく続けられるよう、当院の看護師がステップごとに優しくレクチャーします。

     

    🗓 3月の開催日

    • 3月24日(火)16:00〜17:00

    ※どちらも 事前予約制/各回 2組まで

     

    🐾 教室の内容

    講義形式のグループレッスンで、以下のような内容をお伝えします。

    ・お口の健康の大切さ

    ・歯みがきのステップとコツ

    ・おすすめのデンタルケア用品の紹介

    初心者の方も安心してご参加いただける内容です。

     

    👥 定員

    各回 2組まで
    少人数制でしっかりサポートいたします。

     

    💰 参加費

    1回 2,000円(税抜)

     

    📞 ご予約方法

    お電話にて受け付けております。
    お気軽にお問い合わせください。

     

    🦷 最後に

    毎日の歯みがきは、ワンちゃんの健康を守る大切な習慣です。
    「できるところから」「楽しみながら」を合言葉に、だん動物病院が皆さまをサポートいたします。

    ご参加を心よりお待ちしております🐾

  • 4月 パピーセミナー

    パピー教室は、子犬と飼い主さんが一緒に楽しく学べる教室です。社会化やしつけの基礎、健康管理のポイントを分かりやすくお伝えします。さらに、子犬同士や子犬と人とのふれあいタイムも用意しています。

    もし周りに子犬を迎えたばかりで色々知りたい!という方がいたら、ぜひご紹介下さい。

     

    📅 日程(全3回セット)

    ・第1回:4月4日(土)12:00〜 成長ステージ、社会化期について

    ・第2回:4月11日(土)12:00〜 しつけ方法、知育玩具紹介

    ・第3回:4月18日(土)12:00〜 自宅でできる簡単健康チェック

    ⏱ 所要時間:各回約60分
    🎯 対象:生後5か月齢までのわんちゃん
    👥 定員:5組まで(要予約)
    💰 費用:10000円(税抜/全3回セット)、3500円(税抜/1回分)

     

    【ご参加にあたってのお願い】
    • パピー教室までに、必ず一度受診してください。
    • 初診・再診にかかわらず、一度は便検査を実施してください。
    • ノミ・マダニ予防を実施していること。
    • ワクチンを最低1回は接種していること。
    • 手術や診療の都合により、急遽予定が変更となる場合があります。

     

    📞 お申し込み・お問い合わせは電話にてご連絡下さい。

  • 犬の前十字靱帯断裂とTPLO手術について

    犬の後ろ足のびっこ(跛行)の原因として多い病気の一つに前十字靱帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)があります。
    特に中型犬〜大型犬では発生が多く、適切な治療を行わないと痛みや関節炎が進行してしまう可能性があります。

    当院では、前十字靱帯断裂に対する外科治療としてTPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)という手術にも対応しています。

    ここでは、前十字靱帯断裂とTPLO手術についてわかりやすく説明します。

     

    前十字靱帯断裂とは】

    前十字靱帯は、膝関節の中にある重要な靱帯で、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつなぎ、膝の安定性を保つ役割をしています。

    この靱帯が切れてしまうと、膝関節が不安定になり、以下のような症状が現れます。

     

     

    【症状】

    ・突然後ろ足を挙げる
    ・歩き方がおかしい(びっこをひく)
    ・運動を嫌がる
    ・座り方がおかしい
    ・慢性的な足の痛み

    犬では人のような急激なスポーツ外傷よりも、靱帯の変性(徐々に弱くなること)によって断裂することが多いとされています。

    また、この病気は片側だけでなく、数年以内に反対側も断裂することが多いという特徴があります。

     

     

    診断】

    前十字靱帯断裂の診断は、以下の方法を組み合わせて行います。

     

    ・身体検査
    膝関節の動きを確認し、「前方引き出し試験」や「脛骨圧迫試験」と呼ばれる検査で膝の不安定性を評価します。

     

    ・レントゲン検査
    靱帯自体は写りませんが、関節の腫れや関節炎の程度を確認します。

    必要に応じて、関節内の状態を確認するために追加検査を行う場合もあります。

     

     

    療】

    治療は大きく分けて、内科治療(保存療法)・外科治療(手術)の2つがあります。

    小型犬や症状が軽い場合には、安静・体重管理・消炎鎮痛薬などで管理することもあります。

    しかし、多くの犬では関節の不安定性が残るため、外科手術が推奨されることが多い病気です。

     

    ・外科手術の術式は、大きくは2つのアプローチ法が主流になります。

    1、TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)

    ⇨脛骨の形を外科的に変えることで、靭帯がなくても膝が安定するようにする術式です。
    特に大型犬や活動的な犬において、長期的な予後が良好であるとのコンセンサスが得られています。

     

    2、関節外法(ラテラルスーチャー法)
    ⇨強度の高い糸を使用して膝を外側から固定する方法です。
    ⇨組織の損傷が少ないと一見考えてしまう手術方法ですが、TPLOの方が軟部組織の損傷は少ないと言われております。

     

     

    TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)】

    TPLOは、現在世界的にも広く行われている前十字靱帯断裂の手術方法の一つです。

    この手術では、脛骨(すねの骨)を円形に骨切りし、骨の角度を変えてプレートで固定するという方法を取ります。

    前十字靱帯が切れると、体重をかけたときに脛骨が前にずれてしまいます。
    TPLOでは、脛骨の角度を変えることで、このズレが起こらないように力のかかり方を変える手術です。

    つまり、靱帯を再建するのではなく、膝の力学を変えて安定させる手術という特徴があります。

     

    TPLOのメリット】

    TPLOには以下のようなメリットがあります。

    ・小型犬~大型犬でも安定性が高い
    ・回復が比較的早い
    ・スポーツ犬や活動性の高い犬でも良好な結果が得られる
    ・長期的な関節の安定性が高い

    そのため、特に中型犬〜大型犬では第一選択となることが多い手術です。

     

     

    【手術後の管理】

    手術後は骨が癒合するまで安静が必要です。

    一般的には約6〜8週間程度の運動制限を行います。

    その後、レントゲン検査で骨の治癒を確認しながら、徐々に運動量を増やしていきます。

    また、筋力の回復のために

    ・リハビリ
    ・適度な運動
    ・体重管理

    も重要になります。

     

     

    予後(回復について)】

    TPLO手術を受けた犬の多くは、良好な歩行機能を取り戻すことができるとされています。

    ただし、靱帯断裂が起こった時点で関節炎は徐々に進行するため、

    ・体重管理
    ・適度な運動
    ・関節ケア

    などを継続していくことが大切です。

     

     

    前十字靱帯断裂は、犬では非常に多い整形外科疾患の一つです。
    びっこが続く場合や、足をかばう様子が見られる場合は、早めの診察をおすすめします。

    当院では、身体検査や画像検査をもとに、その子の体格・年齢・生活スタイルに合わせた治療方法をご提案しています。当院では、TPLOの手術にも対応しております。

    愛犬の足のトラブルで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

  • 猫の乳腺腫瘍

    猫の乳腺腫瘍は、猫に発生する腫瘍の中でも非常に悪性度が高い腫瘍として知られています。犬とは性質が大きく異なり、約80〜90%が悪性腫瘍(乳腺癌)とされています。

    進行が早く、転移もしやすいため、早期発見・早期手術が極めて重要な病気です。

     

     

    【症状】

    最も多い症状は、乳腺部の「しこり」です。

    猫の乳腺は胸からお腹にかけて左右に並んでいます。

    以下のような変化に注意が必要です。

    ・胸部〜腹部に小さなしこりがある
    ・短期間で急速に大きくなる
    ・複数のしこりがある
    ・表面が赤くなっている
    ・潰瘍化し出血や分泌物が出ている

    初期には痛みや体調の変化が少ないことが多いため、飼い主様が触って初めて気づくケースがほとんどです。

    しかし、猫の乳腺腫瘍は進行が早く、発見時にはすでに転移していることも少なくありません。

    転移先としては肺やリンパ節が多く、進行すると呼吸困難や元気消失がみられることがあります。

     

     

    診断】 

    診断は以下の流れで行います。

    ① 身体検査

    しこりの大きさ、数、可動性、皮膚との癒着を確認します。

    猫では小さくても悪性の可能性が高いため、サイズに関わらず慎重な評価が必要です。

     

    ② 画像検査

    ・胸部レントゲン検査:肺転移の有無を確認
    ・腹部超音波検査:他臓器の状態、リンパ節腫大の有無を確認
    ・リンパ節評価

    特に胸部評価は重要で、術前に必ず実施します。

     

    ③ 細胞診

    針で細胞を採取する検査ですが、乳腺腫瘍では確定診断が難しいこともあります。

     

    ④ 病理組織検査(確定診断

    摘出した腫瘍を専門機関で検査し、以下を評価します。

    ・良性か悪性か
    ・悪性度(グレード)
    ・脈管侵襲の有無
    ・切除断端の評価

    を詳しく調べます。

    猫では悪性である前提で治療を考えることが多いため、病理検査は予後予測において非常に重要です。

     

     

    治療】

    ■ 第一選択は外科手術

    猫の乳腺腫瘍は局所再発率が高く、単純な「しこりだけの摘出」は推奨されません。

    一般的には、

    ・片側乳腺全摘出術
    ・両側乳腺摘出術(段階的に行うことが多い)

    が選択されます。

    乳腺はリンパ管で連続しているため、広範囲切除の方が再発率を下げられるとされています。

     

    ■ 抗がん剤治療

    悪性度が高い場合やリンパ節転移がある場合、補助的に抗がん剤治療を検討することがあります。

    ただし、外科手術が治療の中心であることに変わりはありません。

     

     

    予後】

    猫の乳腺腫瘍の予後は、主に以下の因子で決まります。

    ・腫瘍の大きさ(2cmより大きい場合は、再発・転移リスク上昇)
    ・リンパ節転移の有無
    ・肺転移の有無
    ・悪性度(グレード)
    ・脈管侵襲の有無

    小さいうちに手術できた症例では、1年以上の生存が期待できることもありますが、進行例では生存期間が短くなる傾向があります。

    そのため、「小さいから様子を見る」は非常に危険です。

     

     

    予防】

    猫の乳腺腫瘍も女性ホルモンの影響を受けます。

    若齢期での避妊手術は、乳腺腫瘍の発生リスクを大幅に低減します。

    特に生後6ヶ月齢までに避妊手術を行った場合、発生リスクは非常に低くなると報告されています。

    将来的な腫瘍リスクを考えると、若齢での避妊手術は最も有効な予防策です。

     

    早期発見が命を守ります

    猫の乳腺腫瘍は、進行が早く悪性度が高い腫瘍です。

    だからこそ、

    ・日常的にお腹を触る習慣をつける
    ・小さなしこりでもすぐ受診する
    ・様子を見ない

    ことが非常に重要です。

    だん動物病院では、術前検査による全身評価から外科手術、病理診断、術後フォローまで一貫して対応しております。

    大切なご家族の命を守るために、早期のご相談をおすすめいたします。

  • 犬の乳腺腫瘍

    乳腺腫瘍は、犬で非常に多くみられる腫瘍のひとつです。特に未避妊の中高齢の女の子に多く発生し、胸からお腹にかけて並んでいる乳腺に「しこり」として見つかることがほとんどです。

    犬の乳腺腫瘍は「50%ルール」と言われ、50%が良性・50%が悪性と言われています。また、悪性腫瘍のうちの50%は診断時に転移があるとされています。早期発見・早期治療がとても重要な病気です。

     

     

    【症状】

    最も多い症状は「乳腺部のしこり」です。

    ・胸〜腹部にコリコリしたしこりがある
    ・しこりがだんだん大きくなっている
    ・表面が赤くなっている、ただれている
    ・出血や分泌物がある

    初期には痛みがほとんどないため、元気や食欲に変化がないことも多く、発見が遅れることがあります。

    悪性の場合は、肺やリンパ節へ転移することがあり、進行すると咳や呼吸困難、元気消失などがみられることもあります。

     

     

    診断】

    診断は以下の流れで行います。

    ① 身体検査

    しこりの大きさ、数、可動性、周囲組織との癒着の有無を確認します。

     

    ② 画像検査

    ・胸部レントゲン検査:肺転移の有無を確認
    ・腹部超音波検査:他臓器の状態・転移の有無を確認
    ・リンパ節評価

    乳腺腫瘍は肺転移が比較的多いため、胸部評価は重要です。

     

    ③ 細胞診

    針で細胞を採取する検査ですが、乳腺腫瘍では良悪性の確定が困難なことも多く、補助的検査となります。腫瘍自体が、炎症なのか、腫瘍なのか、乳腺腫瘍以外が考えられないかを判断します。

     

    ④ 病理組織検査(確定診断

    摘出した腫瘍を専門機関で検査し、以下を評価します。
    ・良性か悪性か
    ・悪性度(グレード)
    ・血管やリンパ管への浸潤の有無

    最終的な診断と予後判定にはこの病理検査が非常に重要です。

     

     

    治療】

    ■ 第一選択は外科手術

    乳腺腫瘍の治療の基本は外科的切除です。腫瘍の大きさ・数・位置によって術式が異なります。

    ・腫瘍のみ切除
    ・領域乳腺切除
    ・片側乳腺全摘出術
    ・両側乳腺摘出(段階的に実施することが多い)

    乳腺はリンパ管でつながっているため、単純にしこりだけを取るよりも、広めに切除した方が再発リスクを下げられる場合があります。

     

    ■ 避妊手術の併用

    未避妊犬では、同時に卵巣子宮摘出術を行うことがあります。

    (メリット)

    ・子宮疾患(子宮蓄膿症など)の発生予防

    ・良性の乳性腫瘤の発生を半減することを期待する。

    ※悪性腫瘍の再発率・生存率・生存期間の改善する、という報告はありません。腫瘍発生後の避妊が予後を大きく改善するかどうかは症例によります。

     

     

    ■ 抗がん剤治療

    悪性度が高い場合や転移が認められた場合には、補助的に抗がん剤治療を検討することがあります。

     

     

    予後】

    予後は以下の要素で大きく変わります。

    ・腫瘍の大きさ(3cmより大きい場合は、再発・転移リスク上昇)
    ・良性か悪性か
    ・悪性度(グレード)
    ・リンパ管・血管浸潤の有無
    ・リンパ節転移の有無
    ・肺転移の有無

     

     

    乳腺腫瘍は「様子を見ていても自然に治ることはない」病気です。小さなしこりであっても、時間の経過とともに悪性化したり、転移のリスクが高まる可能性があります。そのため、体にしこりを見つけた際には、なるべく早めの受診をおすすめいたします。

    当院では、触診によるチェックだけでなく、超音波検査などを組み合わせた総合的な評価を行い、患者様それぞれに最適な治療方針をご提案いたします。日頃からスキンシップの中で体を触る習慣をつけていただき、早期発見・早期治療につなげていきましょう。

  • 価格改定のお知らせ

    平素より、だん動物病院をご利用いただき誠にありがとうございます。

    昨今の物価上昇に加え、医薬品・医療材料・検査関連資材などの仕入れ価格の高騰が続いております。当院でもコスト削減や業務効率化などにより価格維持に努めてまいりましたが、現行の料金体系を維持することが難しい状況となりました。

    そのため、誠に心苦しいご案内ではございますが、3/1より順次一部の薬剤費および検査費用につきまして価格を改定させていただくこととなりました。

    今回の改定は、医療の質を下げることなく、これまでと変わらない、あるいはそれ以上の医療水準を維持するためのものです。
    当院はこれからも、高い医療技術の提供とチーム医療の充実に努め、大切なご家族に安心していただける診療を行ってまいります。

    飼い主様にはご負担をおかけいたしますが、今後も信頼いただける動物病院であり続けられるよう、スタッフ一同努めてまいります。

    何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。