アトピー性皮膚炎

犬のアトピー性皮膚炎(Canine Atopic Dermatitis:CAD)は、遺伝的な体質に加え、環境中のアレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉、カビなど)に対する過剰な免疫反応によって起こる、慢性的で再発しやすい皮膚疾患です。若齢期(1〜3歳頃)から発症することが多く、一生を通しての管理が必要になる場合があります。

近年は治療の選択肢も増え、適切な治療とスキンケアにより多くの犬で生活の質が改善できるようになっています。

 

 

こんな症状はありませんか?
生後6カ月~4歳の間にかゆみが始まった
✔ 季節の変わり目に 症状が悪化しやすい
皮膚感染症(膿皮症・マラセチア性皮膚炎)を繰り返している
✔ 治療しても すぐに再発する

 

これらに当てはまる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があります。

 

 

【診断】

アトピー性皮膚炎の診断は、「除外診断」が基本です。
皮膚の状態を詳しくチェックし、他の病気(寄生虫・細菌感染・食物アレルギーなど)を除外して診断を行います。

・ 皮膚の視診・検査(細胞診・培養検査など)
・ アレルギー検査(必要に応じて実施)

 

 

【治療】

アトピー性皮膚炎は 一生付き合っていく病気 ですが、適切な治療で症状をコントロールできます。

 

・当院では、3つのアプローチで治療を行います。

 

 

① かゆみを抑える治療(投薬・注射)

・アポキル錠(オクラシチニブ)/ゼンレリア(イルノシチニブ):かゆみのシグナルをブロック
・サイトポイント(注射薬):1回の注射で1カ月効果が持続
・シクロスポリン(免疫抑制剤)
・ステロイド(短期間の炎症抑制)

 

② 皮膚のバリア機能を改善

・保湿剤の使用
・殺菌・保湿シャンプー療法(ノルバサン、ヒノケアなど)
・サプリメント(必須脂肪酸、乳酸菌など)

 

③ 環境の改善

・室内の掃除や換気
・アレルゲンの回避(散歩コースの見直し など)

 

投薬だけに頼らず、スキンケアや生活環境を整えることで、より負担の少ない治療を目指します。

 

 

「このかゆみ、どうにかしてあげたい…」と思ったら、お気軽にご相談ください!

当院では、飼い主様とペットに寄り添い、最適な治療プランを一緒に考えます。
症状に合わせたオーダーメイドの治療で、ペットが快適に過ごせるようサポートいたします!